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令和 2年第3回定例会(第4日 9月30日)

定例会

開催日:令和 2年 9月30日
会議名:令和 2年第3回定例会(第4日 9月30日)

○そうだ次郎議長
 斉藤優子議員の討論を終わります。
 次に、13番小林かなこ議員。
 〔小林かなこ議員登壇〕

○13番(小林かなこ委員長)
 私は、自由民主党目黒区議団を代表して、議案第44号、令和元年度目黒区一般会計歳入歳出決算の認定に賛成の立場から討論をいたします。
 まず初めに、令和元年度は、今年に入り、新型コロナウイルス感染症が我が国に上陸、瞬く間に全国的な感染拡大となり、いまだ世界中で猛威を振るい、新型コロナウイルス感染症による累計死者数は世界で100万人を超えました。お亡くなりになられた方々へ深く哀悼の意を表すとともに、闘病中の方の一日も早い回復を心よりお祈り申し上げます。
 さて、令和元年度の我が国経済は、消費だけではなく、設備投資や公共投資等の公需も堅調に推移したことから、内需全体の実質GDP成長率に対する寄与度は強めに推移いたしました。その一方、外需は、輸出の弱さに加えて、輸入が増加したことで、成長下押し要因となりました。これらの結果、令和元年度の実質GDP成長率は、内需の強さが外需の弱さを上回り、前期比プラスで推移いたしました。
 こうして、昨年度の我が国の景気は、外需は弱いものの、雇用・所得環境のさらなる改善により、内需を中心に緩やかに回復したため、本区でも緩やかな景気回復を背景とし、歳入決算額は1,089億1,000万円余となり、うち区税収入は納税義務者数の増などにより過去最高、財調交付金は史上3番目の交付額となりました。
 この好景気の波がこの先も続いてほしいと誰もが願っていたところ、今年に入り発生した新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、インバウンド需要の消失や外出自粛等を受けて、景気は一気に大幅な後退局面へと突入いたしました。
 今後、区の財政は、リーマンショック以上の大きな影響を受けることが予測され、事業の優先順位づけはもとより、大胆な事業のスクラップも考えなくてはなりません。歳出を可能な限り減らすだけではなく、中長期的な視野で基金の積立てルールの見直しも必要になってきます。
 さらに、ふるさと納税の影響では、昨年度、過去最高の21億7,000万円余の減収となったことから、国に対しては抜本的な制度改革を求める要望を引き続き行っていくと同時に、寄附金メニューの充実と周知啓発の取組、さらに区民に対して税の流出を防ぐための取組の強化が必要です。
 国の制度改正をただ待つだけではなく、いかにして区税の流出を食い止めるか。新たに構築された区政再構築検討会議の中での聖域なき見直しや、若手職員の意見、アイデアによる対策強化実現を期待します。
 以上の視点から、令和元年度決算特別委員会に臨んだ我が会派の委員からの質問を基に、意見・要望を申し上げます。
 まず、企画経営部門についてです。
 区有施設見直しについては、施設の利用状況を分析し、目黒区絶対高さ制限の見直しや区有施設の有効活用などの手法を用いて、総延べ床面積の縮減を目指すこと。
 特に区民センターについては、民間活用など、区の財政負担の軽減を図りつつ、施設配置基準の具体的な検討などを行うこと。いずれも地域の意見を重要視し、地域の活性化につながるように進めること。
 駒場住宅跡地の活用については、国と事業者の間に区が入って、細やかな調整を行い、解体撤去工事から跡地整備まで、国有地有効活用のモデルケースとなるように進めること。コミュニティ施策の複合化の絶好の機会と捉えて、地元目線での整備を進めるよう要望いたします。
 次に、防災対策についてです。
 昨年の台風19号の際には、避難所運営の課題だけではなく、情報発信の脆弱性、災害対応職員の確保など、多岐にわたり課題が浮き彫りとなり、危機管理体制の再構築が求められました。区として迅速に対応してきた点は評価いたしますが、今後は複合災害への対応もあり、これまで以上に議会BCPと十分に連携を取りながら進めていくよう求めます。
 次に、区民生活についてです。
 住区住民会議については、制度疲労を起こしていることが懸念されます。まずは指定管理からの見直しが必要であり、以前から指摘してきた課題点を整理して、今後の方向性を速やかに定めていくよう要望いたします。
 次に、健康福祉についてです。
 令和元年度は、19年ぶりとなる特別養護老人ホーム目黒中央の家を開設、事業所内保育所も併設された目黒区の新しいモデルケースが誕生しました。これからのポストコロナ期には、ソサエティ5.0時代を見据えた健康寿命延伸事業の展開や、空き家を利活用した障害者グループホームの体制整備や在宅介護の体制強化、認知症GPS位置情報システムの活用推進などによる新しい日常における福祉の充実を求めます。
 産業経済においては、新型コロナウイルス感染症により大打撃を受けた区内中小企業や商店街への継続的な支援をすること。
 そして、都市整備については、昨年制定した自転車条例がいよいよ明日から施行となり、自転車走行時と歩行者や車に対する安全性を高めるための周知啓発に努め、実効性のある条例を目指すこと。
 地域交通に関しては、様々な手法を用いながら、地域ごとの交通課題が解決されるように進めていくこと。
 自由が丘駅周辺整備についても、東京都と事業者の間に区が入り、地域とともに安全で快適な街づくりを進めていくことを要望します。
 環境部門においては、新型コロナウイルス感染症の影響で増えた家庭ごみの収集において、人材確保と職員の感染防止対策が課題となっており、雇用環境の改善を図る対応を求めます。
 最後に、子育てと教育施策についてです。
 これまで区が最重点課題として取り組んできた待機児童対策は、今年4月、待機児童ゼロを達成しました。今後の待機児童対策は、学童保育クラブの整備を中心とした放課後子ども総合プランの実施に移行していきます。放課後子ども対策課と教育委員会とが連携して、速やかに整備を進めていくことが求められます。
 区内小・中学校においては、昨年度末からの新型コロナウイルス感染症による長期臨時休業の影響で、学校でも新たな業務が増えたことから、部活動も含め、働き方改革を確実に進めていくことを要望いたします。
 また、学校の再開後は、土曜日授業も実施していることや、午前5時間制を導入する学校が増えていることからも、スクールゾーン設定の時間帯や曜日に留意し、児童・生徒の安全確保を図ること。昨年度設置された体育館の空調設備については、学校開放の部局と連携を取って、速やかに使用についてのルールを策定し、冬季の利用にも備えることを求めます。
 結びに、この12年間にわたり、区長の右腕として区政運営に御尽力くださった鈴木勝副区長の任期終了に際し、会派を代表して心より感謝を申し上げます。本当にお疲れさまでした。
 以上、決算特別委員会において我が会派の委員から各款各項で申し述べた審査内容を十分に反映することを要望し、議案第44号、令和元年度目黒区一般会計歳入歳出決算の認定に際し、自由民主党目黒区議団の賛成討論といたします。(拍手)

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