平成28年予算特別委員会(第8日 3月17日)
開催日:平成28年 3月17日
会議名:平成28年予算特別委員会(第8日 3月17日)
○いその委員長
補足説明が終わりましたので、第8款教育費の質疑をお受けしたいというふうに思います。266ページから291ページまでです。
○小林委員
それでは、269ページ、児童・生徒指導について大きく3点お伺いいたします。
1点目として、本区では、区立幼稚園・こども園などの幼児、小学生の児童、中学生の生徒を対象とした防災教育が行われています。そこでまず、小学校の場合は、低学年、中学年、高学年で分かれた防災教育を行っているのでしょうか。現状についてお伺いします。また、幼稚園・こども園や中学校の場合はいかがでしょうか。
次に、2問目としまして、学校におけるAEDや心肺蘇生の講習についてお伺いします。
公益財団法人日本学校保健会の平成25年度学校生活における健康管理に関する調査によると、平成20年から24年までの5年間で、小学校・中学校・高校・中等教育学校において、児童・生徒の救命のために心肺蘇生法、または電気ショックが実施された件数は821件でした。
また、この調査によると、全国でAEDや心肺蘇生、いわゆる心臓マッサージの講習を行っている学校は、小学校で約15%、中学校では約57%、高校では約72%という報告が出ています。痛ましい事故として、平成23年にさいたま市で、当時小学校6年生だった児童が駅伝の課外練習中に倒れ、AEDが使われることがないまま死亡するという事故が起きました。遺族とさいたま市教育委員会がこの事故の反省を踏まえ、児童の名前をつけて「体育活動時等における事故対応テキスト~ASUKAモデル~」を作成し、さいたま市では平成26年度より全ての小学校でAEDの使用を含む心肺蘇生法の授業を実施しています。
学校生活の中では、児童・生徒が第一発見者となる場合も多いと予想されますが、AEDや心肺蘇生の講習率は全国的に見てもまだまだ高いとは言えない状況です。そこで、本区のAEDや心肺蘇生の講習の実施状況についてお伺いいたします。
続いて、3問目ですが、昨年度の決算特別委員会でも質問させていただきました五本木小学校で行われているジュニア防災検定についてお伺いいたします。今年度の成果と課題を踏まえ、来年度は五本木小学校のほかの学年や、ほかの小学校でもジュニア防災検定が拡大して行われるかどうかお伺いします。
最後に、4問目といたしまして、同じく五本木小学校では、防災寺子屋も行われたと伺っていますが、来年度も一般財団法人防災検定協会の出前授業を利用する予定でしょうか。出前授業は1回来てもらうに当たり、費用は幾らかかるかお伺いします。
次に、大きな2点目といたしまして、イングリッシュサマースクールについて3問お伺いいたします。
昨年の決算特別委員会では、大鳥中学校のイングリッシュキャンプをさらに区内の中学校に広げていくために、泊まりではなく通いにしたり、区内の大学の留学生に来てもらうなど、さまざまな工夫をして、より多くの生徒にイングリッシュキャンプを経験できるよう、積極的に取り組んでいただきたいとの提案をいたしましたが、来年度からはイングリッシュキャンプをベースにしたイングリッシュサマースクールが全区立中学校で行われるということで、大変期待をしています。
そこで、まず1問目ですが、イングリッシュサマースクールについての具体的な内容についてお伺いいたします。
2問目として、プレス発表資料によると、イングリッシュサマースクールでは、ランチ中にALTとのコミュニケーション、交流の時間が持たれるようですが、どのように行う予定かお伺いいたします。
3問目ですが、同じくプレス発表資料によりますと、イングリッシュサマースクールでは、午前中は英検や授業の復習など学校の要望を踏まえた内容で授業が行われ、午後は大鳥中学校のイングリッシュキャンプを参考にしたイングリッシュオンリーのさまざまな活動が予定されているとあります。カリキュラムについてはどのようにつくられていくのかお伺いいたします。
最後に、大きな3点目といたしまして、ALTの派遣について3問お伺いいたします。
1問目、本区では、英語教育について小学校から中学校の連続した9年間の外国語教育モデルカリキュラムに基づく授業の実践や、担任と外国語指導員であるALTが連携した効果的な指導の工夫など、英語指導の質的な充実を図っています。来年度は、ALTの派遣を9カ月から12カ月に拡充するということですが、現在、区内の小・中学校で教えているALTの人数や出身国の傾向など、要員状況についてお伺いいたします。
2問目といたしまして、本区の場合は1人のALTが何校も受け持つのでしょうか。それとも、1人1校でしょうか。勤務時間はどのようになっているか、土日の行事にもALTの参加が義務づけられているのかどうか、ALTの勤務形態についてお伺いいたします。
3問目といたしまして、ALTの採用に関してお伺いいたします。
ALTの主な採用形態として、国の語学指導等を行う外国青年招致事業、通称JETプログラムと業務委託契約、そして直接雇用、それから労働者派遣契約があります。本区のALTの採用形態はいずれでしょうか。また、その採用形態の詳細、例えば業務委託契約や労働者派遣契約であれば、業者選定の条件等についてお伺いいたします。
以上、大きく3点、合計10問お伺いいたします。
以上です。
○佐伯教育指導課長
それでは、小林委員の質問に順次お答え申し上げます。
まず、大きな1点目の防災教育についての1問目、小学校における低学年、中学年、高学年の分かれた形での実施の状況でございますが、防災教育とはさまざまな危険から児童・生徒の安全を確保するために行われる安全教育の一部をなすものでございます。そして、幼児・児童・生徒が進んで安全で安心な社会づくりに貢献できるように、危険に対して状況を判断し、最善を尽くそうとする主体的に行動する態度ですとか、他人を思いやる心、互いを認め合う、ともに生きていく態度などの資質能力を身につけさせるために、発達段階に応じた系統的な指導が必要でございます。
したがいまして、各学校・園では、全体計画と年間指導計画を作成しておりまして、生活安全、交通安全、災害安全の3つの領域をバランスよく指導しておりまして、委員御指摘の防災教育につきましては、このうちの災害安全の領域の中で取り扱うこととして、各学年の指導方針を定めまして、避難訓練ですとか防災に関する話し合い活動、それから体験活動などを計画的に行っております。
小学校におきましては、まず低学年では、危険だと思われる箇所を見つけて発表し合うなどの身の回りの危険に気づく、そういった学習を行っております。中学年におきましては、いざというときにとるべき行動ですとか必要なものについて確認するために、実際に起震車体験などを取り入れる、そういった体験活動を行っております。高学年になりますと、さまざまな場面を想定して、発生する危険を予測するために、実際に起こり得る危険について調べたりする学習を行っている学校もございます。
また、幼稚園・こども園、それから中学校でございますが、まず幼稚園やこども園につきましては、安全に生活し、緊急時に教職員や保護者の指示に従い、落ちついて素早く行動できることを狙いとして、実際に避難訓練を行ったり、年少、年中、それから年長とに分かれた訓練等も実施しております。
また、中学校におきましては、やはり中学生はもう実際に発災した際の地域の貴重なマンパワーということで、さまざまな場面での力を発揮することが期待されておることから、実際に応急手当の技能の習得ですとか、防災への日常の備え、的確な避難行動ができることを狙いといたしまして、さまざまな場面を想定した避難訓練をしております。例えば授業中のみならず、朝、あるいは昼休み、放課後の部活動の時間帯を想定した避難訓練ですとか、津波等を想定した屋上への避難とか、さまざまな場面を想定した避難訓練を行っております。
また、防災倉庫にあるD級可搬消防ポンプなどの体験を行ったりするなど、より実践的な防災教育を展開しておりまして、教育活動全体を通じて学年ごとに系統的、計画的に取り組んでいるところでございます。
続いて、3問目のAEDにつきましては、この後、教育政策課のほうで答えていただきます。
3問目の五本木小のジュニア防災検定への拡大でございますが、これは御指摘のとおり、一般財団法人の防災検定協会が内閣府及び文部科学省、それから国土交通省等からの後援を受けて、25年度から実施をしておる事業でございまして、筆記試験だけではなくて、家庭内で災害時の取り決め等を家庭の中で話し合い、まとめるなどの事前課題、それから学校で学年に合わせた防災や減災に関する判断力を問う検定テスト、そして防災マップや壁新聞等の自由研究を行う事後の課題までの3つのステップを通して、議員御指摘のとおり、子どもたちが日常から防災と減災に深い関心を持って取り組むということになってございます。
本区では、26年度から試験的に五本木小の5年生全員を対象として実施をしておりまして、今年度につきましても同じ5年生、38名で実施をしております。28年度につきましては、五本木小におきましては、2年間の取り組みがほぼ定着しているということで、引き続き第5学年の児童を対象として実施をいたす予定でございますが、試験校の対象をもう1校ふやし、1名の検定料が1,800円、通常2,000円のところ団体割引で1,800円になってございますが、それの125名分を予算計上しておるところでございます。
続いて、4点目の防災寺子屋の実施でございますが、26年度につきましては、五本木小学校にとっては初めてのジュニア防災検定ということもあり、また協会からも、ぜひ防災寺子屋の実施といった進言等もございましたので、ジュニア防災検定の前に実施をしていただきましたが、27年度につきましては検定2年目ということで、ある程度要領もつかめてきたとのことで、防災寺子屋のほうは実施をしておりません。
なお、費用でございますが、協会のほうに問い合わせたところ、27年度、今年度までは無料であるが、28年度につきましては、1回1万円前後で有料になるということで、そういったお話を伺っておるところでございます。
続いて、大きな2点目のイングリッシュサマースクールでございます。この事業につきましては、委員御指摘のとおり、2年間、三中・四中の合同で統合の前に行ったイングリッシュキャンプ、そして今年度、大鳥中学校の特色として打ち出したイングリッシュキャンプの拡充ということで、委員初め、さまざまなところでこれに関しての拡大の御要望をいただきました。そこを総合的に判断をし、検討した結果、この事業、夏季休業期間を利用して、通常の英語活動では体験できない集中的な英語コミュニケーションの機会をつくることで、生徒の英語学習への意欲を高め、コミュニケーション能力ですとか、異文化理解の向上を図ることを目的としてございます。
具体的な内容につきましては、さきのプレス発表のとおりでございますが、時期的には7月の下旬のころ、通常多くの中学校におきましては、その期間、三者面談、それから補習授業をやっている期間になってございます。そこに何とか上手にそこを組み込んで、5日間程度、これを想定しております。そして、区立全中学校9校に外国語指導員、いわゆるALTを3名から規模に応じて4名を配置し、その中でプログラムを組んでイングリッシュオンリーのさまざまな英語活動を行うものでございます。
具体的な内容ということでございますが、プレス発表の中では実施のイメージということで、午前中は夏休み前の授業の復習、あるいはヒアリング等の取り組みとか、そういった部分を学校の従来のプログラムと合わせて行う、そしてお昼にはランチをとりながらALTのコミュニケーション、そして午後にはEキャンプのプログラムを参考としたさまざまな英語活動ということで、一応実施のイメージとしてお示しをいたしました。
具体的な内容につきましては、今後、学校側の要望なども聞き取りながら、契約した業者と調整してまいりますので、今のところ詳細については未定でございます。
また、実施期間につきましても、夏休み休業当初に各学校で行っておる補習のところで組むか、あるいはその期間とずらすかということについては、学校と協議をし、決めてまいりたいと考えております。
2点目のランチ中のALTのコミュニケーションでございますが、午前、午後と実施する予定でございますので、昼食を持参した、給食はございませんのでお弁当の持参となろうかと思います、その昼食をALTと一緒にとりながら、たとえ片言であっても英語でのコミュニケーションを図る時間を意図的に設定したいというふうに考えております。
通常の教育活動におきましても、日常的にALTを派遣しておりますので、実際、各学校の給食の指導中にALTが学級に入って、班の中に一緒にお食事をしながらコミュニケーションを図るという活動は、もう現在もしてございますので、その延長でイングリッシュキャンプ、イングリッシュサマースクールの中でも、さまざまな取り組みができるかというふうに考えております。
大鳥中学校で実施したイングリッシュキャンプの中でも、好きな食べ物は何かとか、日本の伝統的な食べ物、あるいは習慣の違いは何かと、ALTからの質問に対して片言の英語で答えたりということで、そういった会話を楽しみながら活動をしたということの報告を受けておりますので、そういった部分も十分に取り入れながらイングリッシュサマースクールを展開してまいりたいというふうに考えております。
続いて、3問目の午前中の学校の要望ということで、カリキュラムの作成についてのお尋ねでございますが、先ほど申し上げましたが、今後、学校側と協議をしてまいります。あらかじめ学校のほうから計画書を提出してもらって、調整をしてまいりたいというふうに考えております。カリキュラムの大枠ですとか、こちら側としてはEキャンプの実績を踏まえた有効と思われるプログラム等もある程度お示しをしながら、学校から提出された実施計画を踏まえて、より効果的なカリキュラムをつくっていきたいというふうに考えております。
続きまして、大きな3点目、ALTの派遣でございますが、本区はALTは小学校1年生から配置をし、9年間のモデルカリキュラムを踏まえた英語教育を展開してございます。御指摘のALTの人数等でございますが、現在、小学校では大規模校である東山小には2名配置しておりますが、延べ人数といたしましては、小学校には24人、それから中学校におきましては、英語教育推進校の大鳥中学校と大規模校の目黒中央中学校に、それから勤務日の関係で第七中学校にそれぞれ2名配置しておりますので、中学校には12名、それから、めぐろエミールにも1名配置しておりますので、合計37名のALTを配置してございます。これは先ほど申し上げましたように、延べの人数でございます。
それから、出身国の傾向でございますが、アメリカやイギリス等の欧米諸国からがおおよそ半数を占めておりまして、ほか、オーストラリアですとかフィリピン、コロンビア等、さまざまな国から来ていただいております。
続いて、2問目のALTの勤務の形態等々でございますが、ALTが担当している学校数につきましては、派遣元の業者の勤務体系等によりまして、ALTの2名体制が小学校で2校、中学校で3校でございます。勤務時間につきましては、1日7時間、小学校は水曜日が4時間の勤務でありまして、派遣元業者の契約のもとで成り立っております。それから、土日の行事への参加でございますが、業者と契約を結ぶ際に、事前にその学校の年間行事予定、それを踏まえて、さまざまな土日の行事が入ってございますので、あらかじめ土日の勤務が必要な日を契約の中で設定をいたしまして、勤務日のほうを割り振っております。急遽、4月以降に必要になった場合については、その都度、派遣元業者とALTとの協議の上、改めて調整を図っておるところでございます。
続いて最後、3点目のALTの採用の状況でございますが、まず、本区のALTの採用形態につきましては、労働者派遣契約でございまして、プロポーザルで派遣できる業者のほうを選定しております。区としてALTの要件をあらかじめ提示しておりまして、具体的にはたくさんあるんですけれども、そのうち代表的な要件としては、原則として英語を母国語とする者、それから2つ目として一定の英語の指導に係る資格等を有している者、それからレッスンプランの作成ですとか教材開発の能力があること、それから児童・生徒と積極的にコミュニケーションを図れることなどをあらかじめ示しておりまして、それを踏まえて、派遣元業者に合致する人材を求め、プロポーザルで契約を結んでおるところでございます。
私からは以上でございます。
○山野井教育政策課長
それでは、学校でのAEDや心肺蘇生の講習について、私のほうからお答えをさせていただきます。
まず、学校安全対策ということで、教職員の方々、これについては毎年度、普通救命講習の受講を奨励してございまして、その受講のための経費、これを予算化してございます。中学生につきましては、先ほども申し上げましたけれども、災害時に大人と一緒に一定の役割を期待されていると、そういったことも踏まえまして、この教職員の受講経費にあわせて、中学生向けの救命救急講習の経費というものも一緒に計上してございます。
具体的には、年度当初に各学校のほうへ積極的に活用してくださいということでお知らせをして、学校のほうで予定を提出していただきます。学校のほうでは、その後、その予定に基づいて、実際に消防署のほうと具体的な実施日時ですとか、人数ですとか、それを打ち合わせをして、実施をするというような流れになってございます。
27年度の実施状況でございますけれども、9校のうち7校がこの経費を使って普通救命講習を受けていると。これは当然、AEDですとか心肺蘇生、これも含む講習でして、受講後は大人と同じように認定証が交付されると、そういう内容のものでございます。
残る2校ですけれども、2校のうち1校は、学校独自の取り組みということで、宿泊訓練を実施する中で防災教室というものをやってございまして、この中で応急救護講習というものを開催して実施をしたというのが1校ございます。それから残る1校なんですが、こちら、予定の中では27年度実施ということで提出していただいたんですけれども、実際に消防署と日程調整をする中で、どうしてもちょっと日程が調整がつかないということで、27年度については残念ながら見送ったといったような状況がございます。
それから、小学校でございますが、こちらは今言った中学校のような形での実施はしてございませんで、各学校それぞれが位置づけて実施をしているといった状況でございます。私どものほうで正確な状況というのは把握してはございませんけれども、今現在、27年度の状況について把握している範囲で事例として申し上げますと、1つが夏休みにサマースクールというのを実施していますけれども、この中で高学年を中心にAEDですとか心肺蘇生の体験を行ったという事例、あるいは防災教育の日というのを学校で設けていまして、この中で全学年が参加をして、役割分担をしまして、グループに分けて、例えば3年生、4年生は119番通報をする、それから1年生、2年生は実際にAEDを取って来る、5年生、6年生は実際にそのAEDを使った体験をするといったような取り組み、あるいはそういった中に保護者の方も参加して、一緒になって保護者の方が心肺蘇生を行うといったような取り組みをした学校もございます。
そのほか、防災訓練のときですとか、地域で行われている防災の行事、この中でAEDを使ったものがあれば、そこに、これは任意になるかと思いますけれども、参加をするような形で行ったという事例もございます。
状況としては以上でございます。
○小林委員
ありがとうございました。
それでは、順次再質問をさせていただきます。
まず、防災教育の1問目についてですけれども、学年ごとに今訓練をしているということでしたが、阪神・淡路大震災があった神戸市では、防災教育を子どもたち一人一人に生きる力を育むための中心的存在として位置づけており、各学校が多彩な防災教育を実施しています。今般、神戸市立真野小学校の例ですと、4年生と1年生の合同授業というものが行われて、これは4年生と1年生がペアになり、避難ルートを一緒に考えるというもので、4年生は合同授業までの間に地域の防災施設であるとか、震災当時の出来事などを自分たちで調べて防災マップを作成し、授業では自分たちがつくった防災マップを1年生に見せながら、地域の特色を教え、避難ルートを一緒に考えるという、そういう内容でした。1年生は4年生の話を聞いて、地域の特色を学び、地域への愛着を深めるとともに、避難ルートを一緒に考えることができたということで、防災意識を高めたそうです。
このように、子どもたちが大人から教わるというのではなく、身近なお兄さん、お姉さんから教わりながら一緒になって学習するという、そういったアクティブ・ラーニングを積極的に取り入れた防災教育は、子どもたちが防災意識をより高く持つことができるという点において、非常に高い効果が期待されると思いますが、その点に関してはいかがでしょうか。
それから、2問目のAEDや心肺蘇生の講習についてですけれども、私、昨年の決算特別委員会の際に、貸し出し用のAEDの訓練キット、これをもう少し数が必要ではないかとの質問をさせていただきましたが、現在、学校教育用として、小・中学生を対象とした新しいAEDトレーニングキット、こういうものも開発がされてきています。
例えば最近では、あっぱくんライトという小・中学生用のトレーニングキットがございまして、これは心臓をイメージしたハート形の小さな固めのスポンジなんですけれども、これを上手に圧迫できると音が鳴ると、それによって胸骨圧迫とAEDの使用について学ぶというものです。ことし1月には、このあっぱくんライトを使用して、世田谷区の二子玉川小学校でも授業が行われました。
一般社団法人日本循環器学会AED検討委員会では、先ほど1回目の質問でも触れましたが、さいたま市での児童の事故を受けて、小・中・高等学校のそれぞれにおいて、義務教育の一環として救命法の指導と訓練を行うことが望まれるとの提言を出しています。そこでは、学校内の心停止であっても、第一発見者は児童・生徒のみの場面も多いはずで、そこで迅速に動けるのは大人とは限らず、子どもたちのほうが迅速な対応をとれることもある。学校の内外を問わず、突然の心停止に児童・生徒が適切な対応をとれれば、救命に大きな力となる。大規模災害時にも子どもたちの協力は欠かせない。子どの時期から繰り返し救命法を学ぶことで、成長して社会に出てからも役立つ有用なスキルとして定着させることができると、そういう提言をしています。
学校の講習が役に立って、実際に命が救われたというケースもございますので、このような小・中学生向けの新しいトレーニングキットについて使用を検討したり、子どもたちにより興味を持ってもらえるような、そういった工夫がもっと必要になってくると思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
それから、3問目と4問目についてですけれども、ジュニア防災検定、これが五本木小学校のほうでは2年間の試験が終わって効果が見られたということで、来年度は試験校をもう1校ふやすということでありますけれども、ぜひこういった取り組みは、効果が見られているということであれば、ほかの小学校にも順次拡大していって、子どもたちの防災意識を高める取り組みを積極的に進めていただきたいと思いますが、この点に関しての、もう一度お考えを伺います。
そして、イングリッシュサマースクールについてですけれども、まだ詳細はこれからということですが、大鳥中学校でのイングリッシュキャンプでは、日本の伝統文化に関するカリキュラムがたしか組み込まれていたと思うんですけれども、この日本の文化、伝統について勉強をする機会というのは、イングリッシュサマーキャンプでも同様に、やるようにと強制はできませんけれども、一応積極的に学校のほうでやるようにというような、そういった方向ではいるのでしょうか。その点について伺います。
最後に、ALTについてですけれども、文部科学省では、次期学習指導要領の改訂で、2020年度から英語を小学校5年生から6年生の正式な教科とし、外国語活動を小学校3年生から前倒しする方針です。この小学校への英語教育の導入促進や英語教育におけるコミュニケーション能力の重視等によって、ALTのニーズはますます増加するものだと予想されます。
これまでALTの多くは国のJETプログラムによって集められてきましたが、ALTのニーズが高まり、JETプログラムだけでは学校現場の需要を満たせなくなったということから、文部科学省の調査によると、最近では外国人講師を活用した授業時間数のうち、小・中学校とも約6割がJETプログラム以外のALTとなっており、国の事業で集められたALTよりも、それ以外の方法で集められたALTが既に学校現場では主流になっているという状況です。学校現場では、民間企業からの派遣講師のほうが若者の国際交流を狙ったJETプログラムのALTよりも質が高いと指摘がある一方で、短期間のうちに講師がたびたびかわるですとか、勤務態度や能力に問題があると民間企業からの派遣を批判する声もあるようです。
いずれにしても、次期学習指導要領の改訂による英語の教科化によって、ALTのニーズはさらに増加することが予想されます。英語教育というと、どうしても日本人の英語の先生の英語の質の問題が話題になりがちですけれども、これに加えて、今後はALTの質の問題がますますクローズアップされるのではないかと考えます。そこで、本区におけるALTの質を確保するための取り組み状況と、来年度以降の質の高いALTの確保にかかわる方針についてお伺いいたします。
以上です。
○佐伯教育指導課長
それではまず、再質問の1点目、4年生と1年生がペアになって取り組むという、いわゆる縦割り班という形の活動が防災教育の中で生かすとの紹介をしていただきましたが、委員御指摘のとおり、意図的・計画的に異年齢の子どもを交流させる、いわゆる縦割り活動を防災教育に生かすことは、とても有効であり、小学校であれば高学年の児童が学んだことを下級生に教えるなどの、ともに学ぶ活動ということで、生命の大切さであるとか、思いやりの心を持った児童・生徒等の育成に資するというふうに考えております。
また、この縦割り班の中で、それぞれの役割を決めて、主体的な活動を重視するということは、御指摘のとおり、まさに課題の発見と解決に向けて児童・生徒が主体的・協働的に学ぶ学習、いわゆるアクティブ・ラーニングにつながるというふうに捉えております。
現在、本区で行われている活動の一例を申し上げますと、小学校におきましては、地域と学校が共催した総合防災訓練の中で縦割り班を編成しまして、そこに保護者の方も加わって、通報訓練ですとか、初期消火訓練、それから防災倉庫の見学、そして先ほどもございましたAEDの体験などをグループごとにして、そして順次、一緒にそのグループが順番に回っていく、スタンプラリーのような形式で回っていくと。その中で、上級生が下級生に教えたり、互いに自分の役割を果たし、協力し合う活動をその学校では4年前から実施をしているというふうに伺っております。
また、1、2年生がまずAEDを取りに行く、そして3、4年生が119番通報して、5、6年生がAEDを実際取り扱うといった、あらかじめ役割を決めて行っている学校もございます。こういった活動については、保護者からの評価も高く、参加した児童は、災害発生時は人の役に立てる働きをしたい、動きをしたいといった感想が多くあったというふうに聞いてございます。
教育委員会では、めぐろ学校教育プランの中にも防災教育の推進を掲げておりまして、実際、子どもたちが地震などの災害に直面したときに、みずからの命、そして他の命、そういったものを生命尊重を基盤として、危険を予測し、回避する能力を身につけるといったことを今後さらに充実してまいりたいというふうに考えております。
続いて、AEDについては飛ばさせていただきまして、3問目、4問目の出前授業の件でございますが、委員御指摘のとおり、この防災寺子屋の活動そのものについては、実は小学校・中学生だけではなくて、協会のほうは保護者であるとか、地域とか、教職員を対象にも実施されているといったことを聞いてございます。このジュニア防災検定の拡充を進めていくとともに、こういった防災寺子屋の効果的な活用について、これまでの実践事例の成果ですとか課題等を改めて調査、研究し、検討してまいりたいというふうに考えております。
続きまして、イングリッシュサマースクールの伝統文化を学ぶ機会ということでございますが、大鳥中学校で実施してございますイングリッシュキャンプでは、実際ALTとのやりとりの中で、ALTからあらかじめ質問を提示して、そしてそれを一定時間調べて、そういったやりとりのプログラムがございます。具体的な問いの一つでは、日本のおもしろいこと、食べ物ですとか、場所ですとか、動物について教えてくださいと。それから、外国人が訪れる際に、日本や目黒でお勧めの場所はどこですかといった、実践形式の質問をして、そしてそのやりとりの中で深める活動ですとか、逆にALTの出身国を中心とした世界地図の紹介ですとか、各国の名前、国旗を一致させるようなクイズですとか、そういった取り組みの中で、お互いの国を理解していくといった、そういったプログラムを展開をしております。
来年度行いますイングリッシュサマーキャンプにつきましても、実際、オリンピック・パラリンピックに来た海外の方に、どのように目黒や日本の文化を伝えたらいいかといった、そういった英語で発表するような形ができないか、一つのお勧めのプログラムとしては学校のほうに提示したいというふうに考えております。
これまでイングリッシュキャンプ等々で蓄積した実践を踏まえて、そういった体験活動を重視して、子どもたち一人一人ができるだけ多くの英語に触れる機会をふやすとともに、ALTと互いの国の文化のよさについて伝え合うというような活動を通して、国際理解教育を進めてまいりたいというふうに考えております。
続いて、ALTの質の確保の問題でございますが、委員御指摘のとおり、今後は小学校5、6年生の英語の教科化、それから3、4年生にも週1時間の英語活動が順次導入をされていきます。したがいまして、今後はこれまで以上にALTの質の確保が難しくなるということは予想されます。
先ほども申し上げましたが、27年度に派遣法の一部が改正されたことによりまして、来年度からは、今まで9カ月、3カ月置かなければいけなかったところが、通年の派遣ができるようになりましたので、それを踏まえて予算計上してございます。雇用としては、やはり9カ月の勤務というよりも通年の勤務ということが当然、ある程度評価をしていただけるというふうに考えておりますので、雇用として安定的で優秀な人材を確保しやすくなるのではないかと期待しております。そういった点、さらに質の高いALTを派遣していただくように、派遣業者等とも今後も協議してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○山野井教育政策課長
それでは、AEDを用いた講習等の充実ということでございますけれども、中学生につきましては、まずは現在実施している講習の受講、これを進めて、さらに全校で実施できるようなふうに働きかけていきたいというふうに思います。
それから、小学生につきましては、まずはAEDがどういうものなのかですとか、どこにあるのか、こういうことを知った上で、何か起こったときに大人や先生に知らせるという形で手伝いをしていただくのが基本になるのかなというふうには考えてございます。
学年にもよりますけれども、発達段階に応じて、中学生で先ほど申した取り組みもしているところですから、そこへつなぐような形でやっていくと。やはり命の大切さを学ぶきっかけにもなることですので、これは大切なことだというふうに認識してございます。ですので、どういう形でやるのか。どういう形でやるのかによって、先ほど御例示いただいたキットを使うのか使わないのか、そういったこともそれによるかと思いますので、これは教育指導課とも十分連携をとりながら、他区の事例、御紹介いただいたようなものも含めて調査、研究しながら進めていきたいと、そういうふうに考えてございます。
以上でございます。
○いその委員長
議事の都合により暫時休憩いたします。
午後の再開は13時05分。
〇午後0時01分休憩
〇午後1時05分再開
○いその委員長
休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
小林委員の3回目の質疑からお願いします。
○小林委員
それでは、3回目の質問をさせていただきます。
防災教育についてですが、今、新しいスポーツのロゲイニングというものを取り入れた防災ロゲイニングというものが広がりつつあります。これは今、静岡県が力を入れているようなんですけれども、このロゲイニングというのは、オリエンテーリングによく似たスポーツで、地図上で示された訪問先を制限時間内にできるだけ多く回るという、そういったスポーツでございます。
このスポーツを取り入れて、防災教育のほうに子どもたちの興味を持ってもらうということで取り入れているんですけれども、先ほどの御答弁の中でも、AEDの講習の部分で、1、2年生はAEDを取りに行く、3、4年生は119番をする、5、6年生はAEDの取り扱いを実際にやってみるというようなこともございましたけれども、こういった新しいスポーツをうまく授業の中に取り入れて、子どもたちの興味を、まず興味を持ってもらう、そこから防災の意識をしっかりと高めていってもらうといったような工夫を、まずは試験的にも、まずほかの自治体のほうも参考にしながら進めていっていただきたいと思いますが、その点に関してはいかがでしょうか。
それから、日本の伝統文化についての部分ですけれども、先ほどの御答弁の中で、イングリッシュキャンプではまず伝統文化に関する授業があると。イングリッシュサマースクールでは、ランチのところでも時間があればそういった話をする時間を設けたいということでございました。
それで、イングリッシュキャンプの中では、目黒のお勧めの場所や日本の食べ物などについて英語で紹介する時間があるということなんですけれども、実際、外国の方のコミュニケーションをとっていくと、やはりふだん日本人としては余りにも当たり前過ぎて、ふだん気づかないことが、外国の方にはすごく不思議に映る。そういったことで改めて日本について自分の中で気づきを得るということが非常に多いかと思います。やっぱりそういった気づきの部分を、イングリッシュサマースクールの中でもぜひそういった場が生まれるように、子どもたちがそこから日本人としてのアイデンティティーの確立につながるような、そういった時間が一つでも生まれるよう、イングリッシュキャンプと同様に日本の伝統文化に対する理解を深めるカリキュラムを積極的に取り入れていっていただきたいと思いますが、その点に関してはいかがでしょうか。
以上です。
○尾﨑教育長
それでは、第2点目になりますけれども、イングリッシュサマースクールで日本の伝統文化に対するカリキュラム、こういったものを取り入れたらどうかと、そういう御質疑かと思いますけれども、まず、外国語教育につきましては、その国々の言葉、あるいは聞く、話すといった、そういうコミュニケーション能力を高めるということが第一義的にはありますけども、先ほど教育指導課長から御答弁申し上げましたとおり、最終的にはその国々の衣食住といった基本的な生活習慣ですとか、その国の特色、こういったものの文化を学ばせるということが最終的な目標になるわけでございます。
それで今、委員から御提案のありました我が国の伝統文化教育のカリキュラムでございますけれども、やはり異文化を理解するというその中には、基本的には私たちの国の伝統文化、こういったものが基本的な認識としてあって、初めて異文化を理解する心を育んでいくということが基本になろうかというふうに思っております。したがって、委員が御提案なります内容につきましては、イングリッシュサマースクールの学習の狙いですとか、学習の目的、そういったものには沿っているものだというふうに思っております。
そうした中で、ALTにつきましては、アメリカ、イギリスを中心としながらも、いろいろな国の方々がいらっしゃいます。そうした中で、イングリッシュサマースクールを通じてお互いの文化を理解し合う、そういうことは非常に重要なことだというふうに思っております。そうした取り組みの中で、我が国の伝統文化について基本的に基礎を養う、そういう中で国際社会の平和と発展、こういったものに最終的にはつなげていくんだろうなというふうに思っております。
なお、イングリッシュサマースクールの具体的な中身、詳細については、これから各学校長等と協議を進めていくということでありますので、委員御提案の趣旨も含めまして、今後さらに検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
私からは以上です。
○佐伯教育指導課長
それでは、私のほうから、防災ロゲイニングを取り入れることについての質問でございますが、地域の特性を学ぶ防災教育のツールといたしましては、防災マップづくりですとか、災害図上訓練、一つの地図の中で危ない場所はどこかということを実際に一つの図の上で訓練、想定した形でやっていくといった訓練などがあるということは認識しておりますが、委員御提案の防災ロゲイニングにつきましては、不勉強で存じ上げておりませんでした。
防災教育におきましては、的確な思考判断に基づく適切な意思決定ですとか、行動選択ができるようにすることが一つの狙いであります。そういった点において、学校の周りの危険な場所ですとか、また安全な場所を実際に地域を回って確認をして作成していくという地域安全マップづくり、これにつきましては、本区立小学校22校全校で実施しておりまして、児童の安全に対する意識を高めることの一助になっているというふうに認識しております。
委員御指摘のとおり、子どもたちの災害に対する興味を持たせて、そして意識を高めていくこと、これが主体的な学びにつながる重要な要素だというふうに考えておりますので、今後につきましては、他地区のさまざまな取り組みに対する調査、研究を進め、より一層本区の防災教育を推進してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○いその委員長
小林委員の質疑を終わります。
ほかに御質疑ございますか。