防災・減災-ぼうさい・げんさい-
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地元である原町を始め、目黒区内には木造住宅密集地域があり、道路の幅も、建物と建物の間も大変狭く、防災上の問題は深刻です。上の写真は、2016年12月22日に発生した糸魚川市駅北大火の現場を個人視察した時のもので、火元の中華料理店の写真です。ご覧の通り、隣の店舗とは人一人通るのがやっとという狭さで、ここも木造住宅密集地域でした。この火事は、火元から海岸に向かっての147棟を含む約40,000㎡が焼損する大規模火災となりました(詳細はブログ「かなこがゆく!~糸魚川市駅北大火~」参照)。
私は、目黒区議会議員及び防災士として、木造住宅密集地域の防災力向上を重要政策の一つに掲げて活動しており、目黒区議会女性議員唯一の消防団員でもあることから、災害時には自らも消防団として活動します。災害が発生しても被害を最小限にするため、木造住宅密集地域における初期消火対策の推進はもちろん、ハード面とソフト面の更なる対策が必要であると考えています。
ハード面については、目黒区議会において、木造住宅密集地域における防災機能のある公園・広場となり得る空間を設置するよう要望すると共に、前職時代に自民党の無電柱化推進プロジェクトに携わっていた経験を活かして、災害時の避難経路の確保や危険緩和を実現するため、木造住宅密集地域での無電柱化に取り組んでいます。
ソフト面については、私は、小学生・中学生の皆さんは守られるべき存在であると同時に、一人ひとりが自分の判断でも防災・減災活動ができるような存在になってもらうことも大切だと考えています。このため、まず小学生の時から防災について関心を持ってもらうことを目的に、現在は特定の小・中学校でしか行われていないジュニア防災検定の実施を更に拡大することを議会でも要望し、防災教育の充実を図り、子どもたち1人1人の「防災力」を高める活動を行っています。
特に、中学校では実践的な訓練や防災に関する知識を養う、荒川区の全区立中学校における防災部の活動や、「ジュニア防災リーダー」の養成などを参考に、災害時でも冷静に判断・行動できるよう、中学生のマンパワーに着目した防災教育の推進に取り組んでいます。また、障がい者や妊婦の方、高齢者などのいわゆる災害弱者向けの避難訓練の充実、児童引き取り訓練や避難所開設訓練の充実にも取り組んでいます。
区立小中学校での
ジュニア防災検定の紹介
目黒区では、平成26年度に五本木小学校で初めて「ジュニア防災検定」(一般財団法人防災検定協会http://www.jbk.jp.net/)を実施し、上目黒小学校と目黒中央中学校へ拡大しています。ジュニア防災検定とは、筆記試験だけでなく、事前課題から事後課題まで3つのステップで構成される検定です。
この3つのステップを通して、子どもたちが日常から防災と減災に深い関心を持ち、意識を高め、自分で考え判断し行動できる「防災力」を身につけることを目的としています。単に知識や記憶力を図り合否を判定して終わるのではなく、「防災意識の定着」こそが到達地点として、子どもたちが日頃から防災意識をもって生活できることを目指しています。
「ジュニア防災検定」が目指すのは、“防災力”です
- ①日ごろから災害に備えた準備ができる
- 「知識としての防災」
- ②災害時に生命も守るための行動ができる
- 「自助のための防災」
- ③未来を作るひとりとして防災・減災のために何ができるのかを考えることができる
- 「共助・公助としての防災」
荒川区立中学校防災部
東京都荒川区では、「助けられる人から助ける人へ!」を合言葉に、2015度からすべての区立中学校(10校)に「防災部」を設置して防災ジュニアリーダーの育成に力を入れています。また、荒川区立尾久西小学校には「ジュニア防災クラブ」も設置されています。荒川区は、区内の半分以上が木造住宅密集地域であるため、火災に対する危機意識が高く、区の住民調査によると、「今後区に力を入れてほしいと思うもの」のトップは、子育てや福祉ではなく「地震などの防災対策」でした。
防災部は、部活動の一つとして設置されており、他の部活動のように「入部」という形式ではなく、「登録制」で、毎日の参加が義務付けられておらず、もちろん他の部活動との兼部も可能です。区立中学校全体で2015年度に300名を超える生徒が防災部に入部し、2019年度は部員数444名となっています。
防災部の活動では、ジュニア防災検定の受験や訓練を通して知識と技術を身につけるだけでなく、被災地と交流することで、もし荒川区で災害が発生したら自分は一体何ができるのかという自覚を芽生えさせる取り組みをしています。また、地域住民と共同で学校避難所開設訓練を実施したり、地域の高齢者のお宅を定期的に訪問する活動もしています。更に、防災部で活動した卒業生が卒業後も活動に携われるよう、OB会が立ち上げられており、区の防災関連行事への参加などをメールで知らせる取り組みも実施されています。
こうした他自治体の例を参考にしながら、目黒区でも中学生のマンパワーに着目した防災教育の充実を図って参りたいと考えています。