MENU

平成29年予算特別委員会(第6日 3月14日)

各種委員会

開催日:平成29年 3月14日
会議名:平成29年予算特別委員会(第6日 3月14日)

目黒区議会予算特別委員会会議録(第6日)

○小林委員
それでは、乳がん検診について伺います。我が会派からの今回の総括質疑でも乳がん検診の拡充について質問がありましたが、私からは細かく3点伺います。
来年度、検診事業の推進として4,840万8,000円が計上されており、乳がん検診受診券の個別通知(無料クーポン券配布)の継続実施との説明があります。個別通知については、現在41歳から44歳の女性には行われておりません。私は昨年の決算特別委員会でもこの現状を取り上げ、公平性や女性の健康維持の観点からも、41歳から44歳の女性に対しても、ほかの年齢と同様に個別通知をすべきだがいかがかとの質問をさせていただきました。
そこでまず、質問の第1点目といたしまして、平成29年度の個別通知(無料クーポン券配布)の継続実施には、41歳から44歳の女性への個別通知が含まれているのか伺います。
次に2点目といたしまして、乳がん検診普及啓発事業について伺います。
本区でも乳がん検診普及啓発事業が実施されており、講演会やパネル展、リーフレットやティッシュの配布などが行われています。本区での平成29年度の普及啓発事業の内容について伺います。
最後に3点目ですが、30代の乳がん検診の今後の方向性についてです。
こちらも昨年の決算特別委員会、そして今回の総括質疑でも我が会派から質問をさせていただきました。30代やそれより若い世代に対する乳がん検診が余り推奨されない理由として、発症率の低さ、偽陽性で不要な検査、治療を受けることになる不利益、偽陽性とされ、さまざまな検査を受けて結果が出るまでに受ける精神的なストレス、そして日本人、特に若い世代に多いと言われる高濃度乳腺、高濃度乳房による検診の課題などが挙げられます。
がん検診には利益、不利益があるため、昨年質問させていただいた際には、区としては30代の乳がん検診については先行事例を見ながら今後考えていきたいとの御答弁でしたが、23区のうち中央区、港区、品川区、葛飾区、江戸川区では30代の乳がん検診を導入しています。そのうち中央区と品川区においては、統計上30代後半から乳がん罹患率がふえてくることも受けてと思われますが、30代後半からの検診を対象にしています。また、検診内容も有効性に疑問符がついているマンモグラフィーを除外し、問診、指触診、超音波検診を中心としています。
30代の検診については、現段階ではなかなか財政的に難しいとしても、遺伝性乳がんや家族性乳がんが乳がん患者の2割程度を占めていると言われ、特にこれらが若い女性に多いのが特徴ということからも、30代の検診を促す取り組みはやはり積極的に行う必要があると考えますが、いかがでしょうか。
以上3点です。

○島田健康推進課長
それでは、小林委員の乳がん検診にかかわる3点について、順次お答えをさせていただきます。
まず、乳がん検診につきましては、個別通知について、昨年の予算特別委員会でも委員のほうから、41歳、それから44歳について勧奨したほうがいいのではないかという御質疑をいただきまして、私どもも乳がんが若い女性のがんのトップであるということと、それから依然として増加を続けているということは大変重要視しております。
そして、検診につきましては、コール・リコールといいまして、通知を出すことによって一定の受診につながっているというふうに認識しておりますので、29年度につきまして、私どもも予算要求はしたところでございますが、医療関係の予算としましては胃内視鏡検診とかそういったものが増加する中で、なかなかこの部分までは個別通知は予算化にならなかったということがございます。
ただ、私どももやはりこの部分の方たち、特に41歳と44歳というのは、がんにかかる率が非常に高く、統計上、グラフにしても急なカーブで上がっていくところでございますので、この辺につきましては、私どもももう少し予算化に向けて努力していきたいというふうに思っております。
それから、乳がんについての啓発事業でございますが、昨年は健康大学で講演をさせていただきました。29年度につきましては、まだどのようなことをやるかについては決まっておりませんが、乳がんにつきましては女性特有がんということで、区報のほうでも検診におきましてはそういったものの掲載をするなど行っているところでございます。
さまざまな機会を捉えて乳がんの予防について、まず検診はしなければわからないということで、まず該当の方についてはきちんと通知が来たら検診を受けてもらうというふうに啓発を続けていきたいと思っております。
それから、3点目の30代の方の乳がん検診でございますが、先行して30代で実施している区もございます。委員御指摘のように、がん検診には利益、不利益もございます。その中で偽陽性の方も出てまいりますので、そういった方たちの不安をずっと続けるということもがん検診のマイナスの部分でもございます。これは国のほうの指針の中でもその辺のところは重視しておりまして、今、国の指針としましては、がん検診で死亡率減少効果が有効とされているのがマンモグラフィーでございます。
それで今、J-STARTという国の国家事業がございまして、そこでは乳がん検診についてマンモグラフィーだけのものと、それからマンモと超音波、この両方を使ったグループを分けまして、それで検診率を確認しているところでございます。国家的なこの検証事業も数年後には恐らく結果が出てくると思うんですが、そういったこともにらみながら、恐らく国のほうもそういった結果を見ながら国のガイドラインを変更するのか、そういったことも出てくるのかなというふうに思っております。
それから、先ほどお話にありました高濃度乳房、日本人は意外とこの高濃度乳房の方が多いというふうな国民だそうです。それから、若い世代ではこの高濃度乳房によってマンモでの判定が難しいということが言われております。
私どもも区の中に乳がん精度管理委員会ということで、検診事業にかかわる全ての医療機関が集まりまして、年3回、なかなか見つけにくいような写真を読影しながら研究をする、どういったところが見つけやすいのか、見つけにくいのか。それから、判定とかそういったものについても乳がん精度管理委員会のほうで議論をしているところでございます。
30代につきましては、国も40歳以上ということになっておりますので、その部分、どういうふうに踏み込むかにつきましては、今後の高濃度乳房のことも含めながら、乳がん精度管理委員会の中で議論をしていきたいというふうに思っております。
以上でございます。

○小林委員
それでは、再質問のほうさせていただきます。
個別通知についてですが、予算要求をしていただいたということで、努力が見えて、本当にありがとうございます。ただ、先ほど御答弁の中でも、通知が来たら受けていただくという、そういった啓発を進めていきたいというお話がありましたので、個別通知が来ないとその気にならない。41歳から44歳の間というのは、非常にお仕事ですとか家庭のことで忙しい年齢です。ですので、こちらから平等に、ほかの年齢と同じように個別通知をするということは受診率の向上にも資すると思いますし、この点は区としても引き続き努力のほうしていただきたいと思います。
やはり平等性、公平性を保つという点においても、41歳から44歳の層にも同様に個別通知を行うということで、引き続きお願いをいたします。この点についてもう一度、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
それから、普及啓発についてですけれども、全国的に見ても、ピンクリボンがすごく認知度が上がってきて、そういう意味では、乳がんの検診を受けようといった、そういった雰囲気は広がってきていると感じています。
それで、目黒区のほうでは、区のホームページで乳がんの自己触診の方法について掲載をしています。この自己触診についてなんですけれども、素人である一般女性が自分で胸を触ってしこりがあるかどうかということを確認するというのは、お医者様に比べると、その正確さというか、自分でしこりが見つけられるかどうかに対しては非常にまだまだ難しい、わかりにくいということがあります。
それで、私の周りでも、まだ乳がん検診の年齢にはいってないけれども、自分で気になっていて自己触診をするという人が非常に多いんですが、その方々の中でも触診をする強さですとか、それから方法が書いてあっても、肋骨としこりの区別がいまいちわからないだとか、あとそれからPMS、いわゆる月経前症候群、そういった時期ではないのに胸の異常を感じるといった人ですとか、そういったいろいろな乳がんに関する不安を非常によく耳にします。
それで、目黒区のホームページ上では、自己触診のやり方を簡単に説明しているだけなので、もう少し詳しくわかりやすい説明を加えるといった工夫が必要ではないかと思います。例えば乳がんができやすい位置としては、乳房以外にも脇の下があるので、そういったイラストも加えるだとか、文章にはありますけれども、そういった部分も触診をしてくださいといったイラストを加えですとか、あと一言、自分では判断できない場合や異常を感じたらすぐに検診を受けましょうですとか、触診と一緒に医療機関での定期的な検診を受けましょうといった、そういった一言、そういった文言を伝えるだけでも、乳がんに対して不安を抱いてる女性が、じゃ受けてみよう、そういった後押しになると思います。
ですので、目黒区のホームページでも触診について啓発に努めているのがうかがえるんですが、このページを見た区民が、私もやっぱり受けてみようと思えるような、そういったあと一押しの啓発を進めていっていただきたいと思いますが、ページの更新ですとか修正について、今後予定があるのかということを伺います。
また最後、30代の乳がん検診についてですけれども、今後も検討されていくということでわかりました。
ただ、これもまたホームページのほうにかかわってくるんですけれども、家族性乳がん、それから遺伝性乳がんが若い年齢に発症しやすいということも統計上出ておりますので、例えばここの部分についても、乳がんを発症した血縁者が何名以上いるかとか、そういった乳がんハイリスクチェック表のようもの、そういったものもページに加えて、自分で1つでもチェックが当てはまったら、私はちょっと危ないかもしれないというような、そういった危機管理を自分でチェックできるような、もう少し詳しい丁寧なページの更新というか、つくり方というものを今後検討していくのかどうかを伺いたいと思います。

○深澤健康推進部長
乳がん検診につきましてのお尋ね、私のほうからお答えさせていただきたいと思います。
まず第1点の個別通知ということでございますけれども、国のほうも受診率のアップにはこの個別通知が非常に大事だということは実証されていることで、また全国的にもこれを広めるべきだというふうなことが通知されております。私どももそれを踏まえて、今後も40から44歳につきましても、できる限り個別通知につなげていくような努力をしていきたいと思っております。
個別通知、区のほうも広げてきたおかげで、平成24年度の受診者数は5,256人だったんですけれども、27年度には7,954人というふうなことで、非常に乳がんの実施率が向上してきております。これをさらに高めていきたいなと思っております。
それから、2番目のピンクリボン運動が進んできて、自己触診を非常に皆さんやるようになったというふうなことがございます。区のホームページでもその辺はうたっておりますけれども、やはり一定程度の一般の方が十分な自己触診で小さな腫瘍を見つけるということは難しさがあります。その辺も踏まえまして、わかりやすい、また自己触診が腫瘍を見つけるのに役に立つようなホームページということで、今後、工夫を重ねていきたいなと思っております。
それから、3番目の30代の検診ということで、御指摘のように30代後半から乳がんがふえてきておりまして、その辺も大きな課題であることは間違いございません。国のほうの今推奨している乳がん検診につきましては40代以降ということで、またマンモグラフィーということでございます。
区が勧める検診ということでは、行政がやることですので、政策型検診という意味合いがございます。そのためには対策型検診ということで、対象集団の死亡率を下げるという効果が実証されていることが非常に大事なことでございまして、それは先ほど課長からも御答弁させていただきましたけれども、国のほうで世界に先駆けて比較的若年者の超音波検査を併用した検診が非常に有効性が本当に出るのかどうか。死亡率減少効果についてはもう少し見ないと結果が出ないようでございますけれども、その辺を見ながら、また区のほうもどういう形で若い世代の検診につなげていけるのかどうか、その辺も考えていきたいなと思っております。
それから、家族性乳がん、遺伝性乳がん、当然これは非常に大きな問題でございます。それらの方々に対しましても、ホームページ等を通じながら、早目の検診、それからこれは区の費用負担はなかなか現時点では難しいんですけれども、御自分で検診を受けていただくということで啓発を進めていきたいと思っております。
以上でございます。

○飯田委員長
小林かなこ委員の質疑を終わります。

pagetop