平成29年決算特別委員会(第6日 9月25日)
開催日:平成29年 9月25日
会議名:平成29年決算特別委員会(第6日 9月25日)
○武藤委員長
須藤委員の質疑を終わります。
ほかに御質疑はございますか。
○小林委員
私からは無電柱化についてと、さきの委員からも質疑、それから我が会派の委員からも質疑がありました河川維持管理についての細かい部分の確認、そして緑化推進のみどりの普及啓発で巣箱モニターの事業について伺いたいと思います。
1点目、都市整備部事業概要(平成28年度実績)の81ページに電線類地中化事業についての実績が記載されています。このページの中ほどに都市計画道路の整備事業や市街地再開発事業などにあわせて、電線類の地中化を行いましたとの記載があります。これを読むと、昨年度、東邦大学病院前以外にも地中化を行ったように見受けられるのですが、実際に行ったのかどうか伺います。
それに関連して、ことしの8月10日、国交省の「無電柱化推進のあり方検討委員会」が「脱・電柱社会~日本の空を取り戻そう~」というタイトルの中間とりまとめを公表いたしました。この委員会は、昨年12月に成立、施行された無電柱化の推進に関する法律で、国土交通大臣の義務として定められた無電柱化推進計画を立案する一助として設けられたものです。この中間とりまとめの内容を見ると、多岐にわたる施策が講じられ、国土交通省はこの取りまとめを踏まえ、この11月には無電柱化推進計画を策定する予定です。
一方、東京都は、国の無電柱化推進計画を待たずに、全国都道府県で初となる東京都無電柱化推進条例を6月14日に定め、今月1日から施行されました。都条例では、知事に東京都無電柱化計画を定める義務が課せられていますが、恐らくは東京都は国の無電柱化推進計画を踏まえて、都の計画を策定すると考えられます。
東京都が都の計画を定めるときは、条例第7条第2項において、知事は東京都無電柱化計画を定め、または変更しようとするときは、区市町村が実施する無電柱化の推進に関する施策を反映するなど、区市町村と連携を図るものとすると義務づけられていますので、本区の無電柱化推進に関する施策や意見、要望などを取り組んでくれるものと期待がされます。
私は、ことし3月の予算特別委員会でも無電柱化の推進について質問させていただき、その際、区側からは国や都の動向を見ながら、現在の区の方針をどういった形で実現していくかということを方針に基づきまして地中化を進めてまいりたい。平成17年に改定した電線類地中化整備基本方針をどのように見直すかということも含めて検討してまいりたいと答弁をいただきました。あくまで国と都の計画が決まってから、区の方針を見直すかも含めて考えるというふうに聞こえます。
しかし、都の条例によれば、都が計画を定めるときには、区の推進施策を反映すると定められていますので、今の区の推進計画を見直した上で、それを反映してもらう時間的な余裕はないと思います。せめて現在の区の方針の一部でいいので、バージョンアップして、そのバージョンアップしたものを都の計画に反映してもらうべきだと考えますが、現時点で12年前に改正した電線類地中化整備基本方針の見直し、またバージョンアップするつもりがあるかどうか伺います。
次に、2点目ですが、河川維持管理について細かい部分の確認をさせてください。昨年度行った実験装置についての具体的な内容と結果については、先ほど御答弁がありました。これまで目黒区では、品川区と合同で水質調査、都への要望活動を行ってきていますが、昨年度の実験も品川区と合同で行ったものなのか、そして過去には水質調査が年に複数回行われてきていますが、昨年度の実験も複数回のものだったのか、その期間、そして実験にかかった費用を伺います。
そして最後に、みどりの普及啓発の巣箱モニター事業ですけれども、この事業は区内の野鳥の生息状況を調べるとともに、区民にみずから巣箱を取りつけてもらうことにより、野鳥を通して、自然の大切さの啓発を図る目的で行われています。昭和59年度から始まった事業で、比較的非常に長い間行われているもので、この事業の実績が直近5年間の報告が載っております。
近年では、設置した巣箱の数も減少傾向にあり、平成27年度では設置が2箱、そして巣立ちしたひなの数は不明ということで、この事業の存続自体危ぶまれるような結果だったんですが、昨年度は巣箱は8、そしてひなの数も24羽ということが確認されて、少し盛り上がりをまた戻しつつあるように見受けられます。
この啓発の周知についてなんですが、現在では区報で1月ごろに募集、この年に1回だけと、あと自然通信員だより、この便りのみなのか、その点の確認をさせてください。
以上です。
○清水土木工事課長
委員の2点にわたる御質問にお答えさせていただきます。
まず、無電柱化にかかわる1点目の御質疑でございます。事業概要にあります都市計画道路の整備事業や市街地再開発事業にあわせて電線類の地中化を行いましたという記載の内容でございますけれども、平成28年度につきましては、東邦大学大橋病院前の地中化事業の詳細設計を実施しました。これのみでございます。これまでに平成21年に上目黒一丁目の再開発、平成24年に大橋一丁目の再開発で地中化を進めておりますが、28年度事業につきましては、東邦大学の前の路線のみということでございます。
2点目の東京都の条例の施行と今後の整備方針の区の見直しの方向性ということでございますけれども、委員からお話ありましたように、区では電線類の地中化の整備基本方針を平成17年に策定しておりまして、123路線、2万6,700メーターの計画をしてるところでございます。この123路線の中からバリアフリー化路線や歩道設置路線を中心に5路線、1,890メーターを定め、今、地中化を進めてるところでございます。この5路線の一つとして、東邦大学の大橋病院前が含まれているというものでございます。
都と国の動向でございますけれども、委員お話しありましたように、昨年12月の国の無電柱化の推進に関する法律の施行、また東京都の東京都無電柱化推進条例の制定がありました。この施行後、区市町村への新たな無電柱化支援策ということで、都補助の拡大の動きがありまして、今その内容を精査しているところでございます。
あわせまして、委員お話しありました目黒区の電線類の地中化整備基本方針につきましては、策定から既に12年たっているというところがございますので、そこら辺の国の補助、また東京都の補助制度の精査をして、実施計画の見直しも進めているところでございますので、その中で検討を進めていきたいというふうに所管としては考えております。
それと、2点目の河川維持でございますけれども、今回の実験につきましては、目黒区の単独で行っているものでございます。平成28年度と今年度につきましても実施をしているところでございます。今年度につきましては、昨年とれなかった夏場のデータの採取等、実際に水槽の中では一定の効果があるという結果が出たものにつきまして、実際に潮の満ち引きの影響します目黒川で本当に効果が出せるのかというところを実証実験ということで、実際に川で、今、行うという内容でございます。
この結果をもとに、先ほどお話もありました高濃度酸素溶解水の実験結果、それとヘドロの今回の満ち引きの影響するヘドロが干出する部分の対策等を、総合的に評価する評価委員会を、今後立ち上げるという予定にしております。その評価委員会の中で東京都、また流域河川であります品川区、世田谷区、それと学識経験者の方にも入っていただきまして、総合的に評価をし、また対策を進めていきたいというふうに考えております。
それと、河川の維持の2点目の実験にかかりました費用ということでございますけれども、平成28年度につきましては、こちらの水槽での実験等にかかわる費用といたしまして、948万2,400円という契約金額で浄化実験の委託をしております。
以上でございます。
○櫻田みどりと公園課長
では、私のほうから巣箱モニターに関する御質問にお答えいたします。
まず、こちらの5年間のデータということでございますが、私どもで毎年30個の巣箱を購入いたしまして、お配りをしております。ただ、営巣、巣をその中にシジュウカラが入ってくれた数が、委員今御指摘ありましたとおり27年度は2個だけだったということでございます。28年度は8個ということでふえているのですけれども、27年度の巣立ったひなの数が不明というのは、こちらは数羽ということで御報告はもらってるんですけれども、それが5羽なのか、6羽なのか、確実ではない、正確ではないということで、済みません、不明という書き方になっております。
毎年30個お配りしてるんですけれども、年によってばらつきがあるのは、気候ですとか、あるいは生態系が年によって若干変わるというところかと思います。例えばですけど、猛禽類がふえると、シジュウカラの親鳥も発見自体が少なくなるという傾向があるようでございます。
PRにつきましては、おっしゃったとおり、区報とホームページ、3月から8月ぐらいが繁殖期ですので、1月ごろPRをして、3月初旬にはつけていただくということを毎年やっております。
以上でございます。
○小林委員
それでは、再度の質問をさせていただきます。
無電柱化については、策定された改定したものについて、もう一度見直すかどうかも検討していくという御答弁でした。昭和61年以降の無電柱化の整備延長の推移を見ると、右肩上がりで伸びてきていますが、そのペースは非常に緩やかなものです。しかし、無電柱化推進法の成立、施行を受けて、国交省は今までのような緩いペースの目標よりも、はるかに高い整備延長目標を立案する方向だと聞いています。国の整備延長が大幅になることは、すなわち遅々として進んでいない市区町村道の無電柱化を大きく進めていかないと、達成が不可能ということになります。
目黒区で平成17年に改定した電線類地中化整備基本方針の着実な実施だけでは到底達成できないではないのかと懸念がされますが、都が計画を策定するときに区の方針を反映するなど、連携をとってくれると言っているので、それまでに電線類地中化整備基本方針を見直す時間がなくても、その方針の反映、連携をうまく活用して、例えば財政的な支援を積極的に求めていくなど、目黒区にとってプラスになることを求めていくべきではないかと考えますが、この点について区の見解を伺います。
また、河川維持管理についてはありがとうございました。
それから、最後の巣箱のところですけれども、やっぱり啓発事業っていうのは、どのように周知するか、その方法、手法っていうのが大きな課題でいつもあると思います。30個の箱を配布してるということでしたが、いつも抽せんになるぐらいたくさん来てるものなのでしょうか、希望がですね。もし来ていないのであれば、周知をもっと広めていくという意味で、野鳥のすめるまちづくり展の開催のときに、これまでの成果とか、そういったものをPRしたりだとか、それからグリーンクラブなど、公園等で活動を行う登録団体が現在112団体あるということですけれども、こちらの団体のほうにもお知らせをしていくなど、そういった広がりをこれからも持っていってはどうかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
以上です。
○清水土木工事課長
1点目の無線電柱化にかかわる御質問についてお答えさせていただきます。
委員お話しありましたとおり、国のほうでは今伸び悩んでおります無電柱化の状況を踏まえまして、平成27年から国土交通省の道路局におきまして検討会をつくって進めております。その中でも日本では電線共同溝という方式でやっておりますが、イギリスのロンドンやパリで行っております直接埋設方式等の効果の検証を行っているところでございます。これは直接管を入れるのでなくて、線のまま埋めてしまうというようなやり方でございます。
この直接埋設の方式につきましては、国のほうの中間の取りまとめ、平成27年12月に発表されておりますけれども、その中でも直接埋設については、ケーブル自体を並列に配置するというところから、ほかの企業者との作業の安全性であるとか、そこら辺の観点で掘削する幅とか、厚みであるとかを検討が必要であるというところは確認されているところでございます。こちらのこういったコストダウンとか、新たな取り組みにつきましては、今後も国の、特に都の動向を注視していきたいというふうに考えております。
2点目の中間の整備方針の見直しについて、その方針の見直しだけではなくて、そういった財政支援も求めていくべきではないかと御質問だと思いますけれども、今後も都補助の拡大につきましては、今年4月からされておりますので、そこら辺本当に活用できるのかどうなのか、そこら辺も精査した上で、またさらなる拡大の要望等につきましては、機会を捉えて、東京都にも要望していきたいというふうに考えております。
以上でございます。
○櫻田みどりと公園課長
巣箱モニターについての再度の御質疑でございます。御提案ありがとうございます。御指摘のとおり、今のところ応募が大体30個はお配りしてるんですけども、年によって、落選する方も出るというぐらいでして、大体同数、あるいは落選者が何人か出るというようなぐらいの倍率でございます。
今のところ、自然通信員、それから区報等でのPR、ホームページということになりますが、おっしゃるとおりグリーンクラブですとか、公園登録団体さんであるとか、そういった生物多様性の活動をしていただいている団体がございますので、そのあたりの情報共有を今後とも図っていきたいと思います。シジュウカラは区の鳥ということで、生物多様性の象徴の一つかなと思っておりますので、さらに取り組んでまいります。ありがとうございます。
○武藤委員長
小林委員の質疑を終わります。
ほかに質疑はございますか。