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平成28年第3回定例会(第2日 9月 8日)

定例会

開催日:平成28年9月8日
会議名:平成28年第3回定例会(第2日 9月 8日)

○田島けんじ議長
たぞえ麻友議員の一般質問を終わります。
次に、5番小林かなこ議員。
 〔小林かなこ議員登壇〕

○5番(小林かなこ議員)
 私は、自由民主党目黒区議団の一員として、区政一般について、質問通告に基づき大きく2点質問させていただきます。
 第1点目、公衆無線LAN、Wi-Fiの整備について伺います。
 政府は、2020年までに世界最高水準のIT利活用社会の実現とその成果を国際展開することを目標として、平成25年6月14日に、世界最先端IT国家創造宣言を打ち出しました。昨年6月の改定では、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会等の機会を捉えた最先端のIT活用による「おもてなし」の発信として、国内外から多数の観光客等が見込まれることを踏まえ、入国から移動、滞在、出国まで一貫した行動のシームレス化を実現するとしています。そして、観光情報などのオープンデータの利用促進、無料公衆無線LAN等の低廉で快適に利用できる通信ネットワークインフラの推進などを実現するために、サイバーセキュリティーなど安全・安心の確保を図りつつ、IT利活用の裾野を拡大し、産業競争力の強化を図るとしています。さらに、本年5月20日付の最新の改定においては、2020年までを集中取り組み期間と定め、国、地方が一体となり強力に施策を推進していくこととしました。
 その取り組みの一つとして、外国人旅行者等が観光、災害時にも利用しやすいWi-Fi環境を実現するために、推計2万9,000カ所の重点整備箇所について無料Wi-Fi環境の整備を推進し、事業者の垣根を越えてシームレスにWi-Fi接続できる認証連携の仕組み構築を推進するとしています。
 総務省も、訪日外国人のICT利用環境整備に向けたアクションプランを定めた「SAQ2(サクサク)JAPANProject」において、訪日外国人の動線を意識したさらなる無料Wi-Fiの整備促進と、無料Wi-Fi利用の際の手続の簡素化を推進するとし、必要な取り組みを加速しています。
 また、公衆無線LANの整備は官民連携が有効に機能するモデルであり、商業施設での民主導の整備と連携しながら、観光拠点及び防災拠点などインセンティブが働きにくい部分を官主導で補完し、地域全体での整備を推進することが重要であるとして、観光拠点及び防災拠点等におけるWi-Fi環境整備費用の補助事業などを展開しています。
 そこで、本区においては、こうした国の動きをどのように捉え整備を行っているか、本区におけるWi-Fiの整備状況について伺います。
 続いて、第2問目といたしまして、東京オリンピック・パラリンピックに向けた区の取り組みについて伺います。
 区は、東京オリンピック・パラリンピックを契機に、ふれあいと活力にあふれた都市自治体を目指して、スポーツ分野だけでなく、幅広い分野において区民、関係団体との連携のもと、持てる資源を最大限に生かしながら、全庁一丸となって大会関連施策の推進に取り組むとしています。
 東京オリンピック・パラリンピックに向けての区の取り組みの一つとして、おもてなし活動の推進があります。区は、東京オリンピック・パラリンピックに向けて、区の多様な魅力を高め、継続的に情報発信することによって、国際交流、国内交流の推進、地域経済の活性化につなげるとともに、さまざまな団体が相互に連携、協力しながら取り組みを進めることによって、多文化共生の充実を通し、区民がおもてなしに参画できるまちづくりを進めたいとしています。
 区は、この取り組みの一つとして、Wi-Fiなど情報通信技術の活用を掲げていますが、区内におけるWi-Fi整備は遅々として進んでいないように見受けられます。公的な補助制度もあるやに伺っていますが、本区においてはどこが担当部署となり、イニシアチブをとるのかがしっかりと定まっていないことも、Wi-Fi整備が進まない原因の一つであると考えます。そこで、さきに述べた官民連携を含め、今後どのように進めていくのかについて伺います。
 続いて、第3問目といたしまして、商店街におけるWi-Fiの整備について伺います。
 国や区がWi-Fi環境の整備を加速していけば、インバウンド需要と国内観光需要の双方を取り込むことができるため、商店街を含む地域経済の活性化に大きなメリットをもたらすと考えます。区内では、Wi-Fiアクセスポイントのある店舗が数多くある商店街もありますが、商店街としてWi-Fi環境を整備するには相応の資金を要することから、多くの商店街、特に規模の小さな商店街では、Wi-Fi環境の整備を進めたくてもなかなか進めることができないのが現状です。私の地元の商店街もそうですが、商店街の多くは、さまざまなイベントを開催するなどソフト面での創意工夫をして、少しでも商店街を活性化しようと懸命に努力をされていますが、Wi-Fiなどのハード面の整備を進めていくことにより、商店街の活性化が促進されると考えます。
 商店街を初めとした地域経済の活性化の観点からすれば、東京オリンピック・パラリンピックまでに一つでも多くの商店街にWi-Fi環境を整備する必要があります。さらに、東京オリンピック・パラリンピック終了以降も、地域経済活性化のため、引き続き区内のWi-Fi環境の整備を着実に推進していくべきであると考えますが、区の見解を伺います。
 続きまして第2点目、2020年東京パラリンピック競技大会に向けて、2問お伺いいたします。
 第1問目、東京パラリンピック競技大会に対する支援について伺います。
 日本時間のけさ、リオデジャネイロパラリンピック競技大会が開幕し、17競技132名の日本人選手が出場します。本区からは、区職員の大西瞳選手が陸上競技に、本区在住の小野智華子選手が水泳競技に、それぞれ出場されます。お二人がベストコンディションで競技に臨むことができ、健闘されることを心から願いつつ、私も精いっぱい声援を送りたいと思います。
 そして、リオデジャネイロの次は、いよいよ東京です。我が国も、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、同組織委員会が「あらゆる多様性を肯定し、真の共生社会を実現する」とのスローガンを掲げ、多様性の促進に向けた取り組みを始めています。
 私は、東京オリンピック・パラリンピックの成功の鍵は、パラリンピックが握っていると考えています。パラリンピックの成功なくしてオリンピックの成功なし、その決意を持って、区としてもさまざまな取り組みをしていく必要があると考えています。
 パラリンピックを最高峰とする障害者スポーツ活動について、スポーツ基本法第2条第5項では、「スポーツは、障害者が自主的かつ積極的にスポーツを行うことができるよう、障害の種類及び程度に応じ必要な配慮をしつつ推進されなければならない。」と定めています。区として本格的に障害者スポーツ活動を推進するためには、障害のある方々が地域の身近な場所でスポーツができる場の確保や、その活動を支える指導者等の育成、障害の種別や程度に応じたきめ細やかな配慮などに取り組むことが必要です。
 本区はこれまで、障害者スポーツ活動について、障害のある方々が安心してスポーツを定期的、継続的に行える環境整備に注力してきています。そのおかげもあり、区立体育施設については、障害のある方々の一般公開利用や福祉工房等の団体による利用が徐々に増加し、利用者は平成19年度の6,700人から、平成26年度には1万3,305人と倍増するまでになっています。
 本区では、東京オリンピックに対しては、中央体育館など区内の3つの体育館を練習会場として提供する予定と聞いていますが、パラリンピックについては、そのような話は聞こえてきません。最近、床が傷つくおそれがある、タイヤの跡がつくといった理由で、車椅子バスケットボールのチームが東京都内の自治体から体育館を借りられず、練習場所の確保に大変苦労しているとの報道がありました。障害者スポーツ活動の推進に注力している本区では、パラリンピックの気運醸成は行っているとは思いますが、東京オリンピックと同じように、例えば個人やチームの練習場所を提供するなどもしていただきたいと思いますが、パラリンピックに対して、区としてどのような支援をしていくのかについて伺います。
 続いて第2問目、区立スポーツ施設のバリアフリー化について伺います。
 文部科学省が平成26年度に実施した「公共スポーツ施設における障害者の利用促進・安全確保に関する調査研究」によれば、障害のある方々が安全に利用するために特に大切と考えることは、「障害者の利用に対応した施設・設備の整備」が最も多い回答でした。また、東京都スポーツ振興局が都内の障害のある方々を対象に実施した、障害のある人のスポーツ・運動に関する実態調査によれば、障害のある方々がスポーツを行う上で必要なことについて、第1位は「障害者が利用できるスポーツ施設」、第2位は「スポーツ施設のバリアフリー化」という結果でした。
 東京都の実態調査で第1位となった「障害者が利用できるスポーツ施設」、特に専用の施設が数多くあればすばらしいことは言うまでもありませんが、費用の問題もあることから、東京都には、障害のある方々専用のスポーツ施設として、都営の施設が2カ所、国営の施設が1カ所だけという状況です。このため、各自治体が所有する区立スポーツ施設を障害のある方々も使えるように改修し、環境を整えることが重要な課題となってきます。障害のある方々が生き生きとスポーツに取り組める環境を整えていく中で、先ほどの東京都の実態調査で第2位となった「スポーツ施設のバリアフリー化」は欠かせません。
 区は、目黒区スポーツ推進計画において、平成28年度から37年度までの10年間にわたり、区立スポーツ施設の改築、改修に伴いバリアフリー化を促進する計画としており、今年度は東京オリンピックの練習会場候補である中央体育館の改修、バリアフリー化に着手すると伺っています。区立スポーツ施設のバリアフリー化は、障害のある方々が生き生きとスポーツができる環境整備として必要不可欠であるため、今後いかなる状況の変化があったとしても、確実に、着実に進めていくことが必要であると考えますが、区の見解を伺います。
 以上、壇上からの質問を終わります。(拍手)

○田島けんじ議長
 ここで、議事の都合により暫時休憩いたします。

○田島けんじ議長
 休憩前に引き続き会議を開きます。
 小林かなこ議員の質疑に対しての区長答弁よりお願いいたします。
 〔青木英二区長登壇〕

○青木英二区長
 小林議員の2点にわたる御質問に順次お答え申し上げます。
 まず第1点目、公衆無線LAN、Wi-Fiの整備についての第1問、東京オリンピック・パラリンピック東京大会を見据え、国の動きを踏まえた本区のWi-Fi整備状況についてでございますが、まず、本区の公衆無線LANアクセスポイントの整備につきましては、平成25年10月より、携帯電話会社2社のアクセスポイントを総合庁舎1階及び八雲中央図書館を初めとした各図書館8館に整備しております。これは、携帯電話会社の公衆無線LANサービスですので、通信先はあくまでも利用者みずからが契約している携帯電話回線網ということになります。現段階で本区の施設等では、いわゆる誰もが利用できる無料公衆無線LAN接続環境は整備しておりません。
 議員御指摘のとおり、総務省は平成26年度に、「SAQ2(サクサク)JAPANProject~訪日外国人のICT利用環境整備に向けたアクションプラン~」を策定し、ICTはあらゆるサービスの基盤であり、日本を訪れる外国人が日本の多様な魅力に丸ごと出会う機会をつくるかけ橋となるものであるとして、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を見据えつつ、訪日外国人の動線を意識した無料Wi-Fiの整備と利用の円滑化等を促進することとしております。
 また、東京都におきましても、平成26年12月に東京都長期ビジョンを策定し、世界一の都市、東京を目指して、その将来像を実現するための8つの都市戦略と25の政策指針を掲げております。この政策指針の7、「おもてなしの心」で世界中から訪れる人々を歓迎する都市の実現として、外国人旅行者が多く訪れる新宿、銀座、浅草、渋谷、東京駅周辺、秋葉原、上野、原宿、台場、六本木の10エリアと、東京オリンピック・パラリンピック大会会場周辺を重点整備エリアと定め、そのエリアにおいて無料Wi-Fiの先行的、重点的な整備を推進するほか、観光案内窓口や都立施設へのアクセスポイントの設置等を、区や民間事業者と連携して無線Wi-Fi利用環境を向上させることとしております。
 本区におきましても、携帯電話会社によるWi-Fiスポットサービスのほか、コンビニエンスストアやカフェ、駅などを中心に、民間事業者の店舗等での公衆無線LANサービスの展開にとどまっており、区としては今後、国や東京都の動向も踏まえ、観光・防災拠点等を中心に、本区の特性を十分考慮し、計画的に公衆無線LAN、Wi-Fi環境の整備を検討してまいりたいと考えております。
 次に、第2問、東京オリンピック・パラリンピックに向けて、おもてなしの活動の一環としてWi-Fiなど情報通信技術の活用を掲げているが、Wi-Fi整備を今後どのように進めていくかについてでございますが、まず本区におきましては、今年3月に改定いたしました目黒区情報化推進計画において、5カ年で展開する情報化施策として、観光・防災拠点への公衆LAN整備を掲げております。東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年までに、来訪者や区民の情報収集等の利便性を高めるために、観光や防災拠点等において公衆無線LANアクセスポイントを順次整備していくこととしております。
 また、今年6月、東京オリンピック・パラリンピックを契機として、目黒区におけるさまざまな分野の大会関連施策を総合的に推進するため、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会目黒区推進本部を設置し、さまざまな施策を推進することといたしました。ふれあいと活力にあふれた都市自治体を目指して、スポーツ分野だけでなく、文化や観光、経済など幅広い分野において、区民、関係団体との連携のもと、持てる資源を最大限生かしながら、全庁一丸となって大会関連施策の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
 Wi-Fi環境の整備といった情報通信技術の活用でございますが、物理的なハード面の設備を整えるだけでなく、外国人旅行者に対応した多言語対応や一度の利用登録手続でさまざまな地域や施設等で利用可能なシームレス連携サービスの利用、災害時には瞬時に緊急情報サービスに切りかわる自動切りかえ機能など機能面を含めた検討や、どのような情報を効果的に発信していくかというソフト面も十分検討していく必要がございます。東京オリンピック・パラリンピックの観戦を機会に目黒を訪れた多くの方に、カフェを楽しめる町並みや多くの来場客でにぎわうイベントなど目黒のまちの魅力を感じていただき、同時に、区民にとって国際交流の推進や地域経済の活性化につながるおもてなし活動に参加していただけるよう、区民、団体、行政が連携し協力しながら、さまざまな情報を発信してまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、担当所管とも十分調整を図りながら、効果的なWi-Fi環境の整備について、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会目黒区推進本部において検討してまいりたいと考えております。
 次に、第3問、商店街を初めとした地域経済活性化の観点から、東京オリンピック・パラリンピック以降のWi-Fi環境の着実な整備についてでございますが、議員御指摘のとおり、東京オリンピック・パラリンピックを契機とした外国人旅行者によるインバウンド需要の活性化や国内の観光客による需要の増加は、商店街を初めとした地域活性化に寄与するものであると認識しております。
 一方で、Wi-Fi環境を活用した情報通信においては、そのハード面だけでなく、発信する情報の内容の充実、いわゆるコンテンツが重要な要素であると考えております。目黒を訪れた方が簡単なアクセスで商店街アプリをダウンロードして、商品やサービス企画の情報を入手し、目的地までの経路案内機能によって来店しショッピングを楽しむなど、まちの回遊性を高め、訪日外国人や観光客を誘引し、地域全体を活性化させて集客力向上につながる効果的な情報発信が必要となります。
 最近では、音声翻訳アプリも開発されており、コンテンツの多言語対応だけでなく、店舗ではお客様に言葉の壁を感じさせないコミュニケーションも可能となりつつあります。集客力の向上を図るためには、このようなコンテンツをどのように用意するかが課題になると考えております。
 また、Wi-Fiの通信回線で接続されるのはインターネットです。商店街情報だけでなく、防災情報や観光情報、さらには交通機関の運行情報、身近な暮らしやイベント情報など、利用者にとって身近な情報にも簡単にアクセスできるようにすることも可能です。このような利用者のニーズに合った情報の提供やコンテンツの充実を図ることによって、情報通信技術を利用した商店街を含む地域全体の活性化に向けたまちづくりの可能性が広がっていくものと考えております。
 本区といたしましては、地域全体の活性化を支える基盤としてのWi-Fi環境の整備とその活用は、東京オリンピック・パラリンピック以降においても課題となるものと考えております。
 次に、第2点目、2020年東京パラリンピック競技大会に向けてについての第1問、パラリンピックの個人やチームの練習会場を提供するなど区としての支援についてでございますが、御存じのとおり、区では5つの体育館がございます。全ての体育館が中規模施設であることから、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が作成している国際連盟基準を満たしている公式練習会場及び事前トレーニングキャンプ地施設は、テコンドー競技の駒場体育館、区民センター体育館、トランポリン競技の中央体育館でございます。この施設は、公式練習会場の候補施設でございますが、大会組織委員会において正式に決定するのは平成29年7月ごろを予定と聞いております。この正式決定により、各国の競技連盟から大会組織委員会及び東京都を通じて各体育施設保有自治体との調整が行われていくものでございます。大会組織委員会及び東京都では、パラリンピックの練習場につきましても、オリンピックの練習会場を使用していきたい考えでございます。また、オリンピックとは違う競技での使用も考えていると伺っております。
 東京都では、各国のオリンピック・パラリンピック委員会などに対して、都内の事前キャンプ候補地の練習会場を幅広くPRするために、東京都版の専用ホームページを平成28年7月27日に立ち上げたところでございます。このホームページに掲載する体育施設は、大会組織委員会の国際連盟基準より緩和したものが掲載可能であり、各国の競技連盟が利用可能と判断した場合には活用が図られるものでございます。区では全ての体育館につきまして、オリンピックだけでなく、パラリンピックの事前キャンプ等を誘致するためにも、パラリンピック競技種目であるゴールボールやボッチャなど8競技を対応可能競技として、都の専用ホームページに掲載したところでございます。
 区といたしましては、東京開催である地の利を生かして、オリンピックやパラリンピックの事前キャンプの受け入れを積極的に行うとともに、オリンピックの練習会場候補地の正式決定を待つだけでなく、パラリンピックにおける練習会場の誘致の取り組みも進めてまいります。
 次に、第2問、障害者が健常者と同じように生き生きとスポーツに取り組める環境整備として、区立体育施設のバリアフリー化についてでございますが、御意見のとおり、障害をお持ちの方が身近な地域においてスポーツを楽しめる環境を整えるためには欠かせない整備でございます。また、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、いわゆる障害者差別解消法が平成28年4月から施行となり、区は、みずから差別を行わないことはもちろんのこと、障害の有無にかかわらず全ての人がスポーツに親しむことのできる地域社会の実現を目指して、区立体育施設のバリアフリー化を進めることは喫緊の課題でございます。
 区では、ことし3月に策定した目黒区スポーツ推進計画において、基本施策の一つの柱として「区民が気楽にスポーツができる環境の整備」を掲げ、ユニバーサルデザインの考えを取り入れたバリアフリー化を計画的に進めることといたしました。本年6月より、碑文谷体育館野球場側の出入り口から1階までを接続するスロープ設置工事を実施しております。区立体育館のバリアフリー化は、障害者のスポーツ人口の裾野拡大につながるだけでなく、高齢者や乳幼児を含めた体育施設利用者の安全確保と利便性の向上を図ることになり、ノーマライゼーションの考え方を社会に広げていく契機と捉えて区では取り組んでおります。さらに、中央体育館改修においては、バリアフリー対応とあわせて各種設備更新等を行い、施設の長寿命化を進めていく予定でございます。
 なお、バリアフリー化を具体的に進めるに当たりましては多額の経費が必要になることから、財源の確保が重要な課題でございます。区では、国や東京都などの補助金等を活用し、区の財政状況を考慮しながら着実に整備できるように努めてまいります。
 以上、お答えとさせていただきます。

○5番(小林かなこ議員)
 それでは、再質をさせていただきます。
 Wi-Fiの環境に関してですけれども、先ほどの御答弁にもありました目黒区情報化推進計画、これがことし3月に出されておりますけれども、この中で、Wi-Fi環境を整備していくに当たり、地域の公共サービスの向上やインターネット環境の条件不利地域を解消する視点から、地域広帯域移動無線アクセスシステム、いわゆる地域BWAシステムのようなシステムを有効利用するとしています。このようなシステムの活用については、区としてはどのようにしていくのか伺います。
 次に、バリアフリー化についてですけれども、新しい都知事となり、これまでの東京オリンピック・パラリンピックの計画の総合的な見直しが検討されていることから、今後はオリンピック・パラリンピックに関しての予算削減なども生じてくる可能性があります。そのような状況の変化があったとしても、障害のある方々が生き生きとスポーツができる環境の整備を区としては確実に、着実に進めていくべきだと思いますが、この点についていかがでしょうか。
 それから、今回パラリンピックに区の職員である大西瞳さんが出場されていますけれども、競技の成績によっては、区として賞典や表彰など何か考えられますでしょうか。
 以上です。

○青木英二区長
 それでは、Wi-Fi整備に関してですけれども、私ども、今お話があったことしの3月に情報化推進計画を定めました。そして、ICTの進展に伴って、高速データ通信のサービスの普及で地域の情報化を進めていくということを大きな課題にしております。
 そういう中で私ども、今お尋ねの総務省のほうから導入がされております地域のブロードバンド・ワイヤレス・アクセス、いわゆるBWAシステム、これは非常に、例えば交通機関の運行状況ですとか商店街の情報アプリ、それから例えば見守りの状況、それから一番私どもにとって重要な災害、こういった情報のコンテンツが非常にたくさん発信できる。非常に有効だということで、今後検討をしていく予定にしているところでございます。
 ただ、今のところ年次計画が私どもございませんので、これから先ほど申し上げました計画をしていくということになります。
 Wi-Fi整備計画は、今申し上げた広域のBWAシステムと、もう一つ光高速回線と、今2つありますので、今後、これ長短それぞれあります。例えば地域のBWAのシステムは、これはもう目黒区内に限定されていますけれども、光回線は限定されていません。しかし、こちらのほうは有線ですから設置にお金がかかりますけれども、他の地域、BWAは無線ですから、比較的Wi-Fiのアンテナの設置は経費が少なくて済むと。それぞれ一長一短ですので、それぞれすみ分けもあろうかと思いますし、コストも含めて検討もしていきたいというふうに思っているところでございます。
 (「2番目に障害者の環境整備」と呼ぶ者あり)

○青木英二区長
 障害者、ノーマライゼーションです。これは必ずしもスポーツだけではなくて、私ども全てのノーマライゼーション、それから障害者差別解消法もできておりますので、これは法律で言われるまでもなく、私どもとして大事な、これはある意味で人権にもかかわってまいります。私ども、基本理念は人権と平和を掲げておりますので、こういったことはハード、ソフトを問わず、きちんとやっていくことだというふうに思いますけれども、こういったオリンピック・パラリンピックを一つの契機にして、さらに私どもは障害者の皆さんのスポーツ、さらには日常生活の中のバリアフリーにしっかりと努力をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
 あと、大西瞳さんの件でございますけれども、大勢の方に壮行会においでもいただいて、ありがとうございます。ぜひ、壮行会だけじゃなくて応援もお願いしたいなというふうに思います。表彰ということですけれども、これは私ども区の職員の表彰規則がありますので、そういったことと合致すればですね、それはぜひ私としては表彰をして差し上げたいなという思いがございます。
 以上です。

○田島けんじ議長
 小林かなこ議員の一般質問を終わります。

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